アレクサンダー・ガジェヴ ピアノリサイタル🎶 6/29東京オペラシティ

ピアノ

突然オペラシティコンサートホール内が真っ暗になり天井の三角に開いたガラス窓から差し込む夕日だけが客席をほんのり明るく照らす幻想的な空間の中、ガジェヴからの生ボイスメッセージがホール内に響き  『人は言葉を話し文字を読み書きするより前よりも音と共にあった。そのことを思い出して本質的に音を聴けるように。。。光より前に闇があり、音よりも前に静寂がある、、、皆さんもこの静寂の中でそっと目を閉じてみてください』と。。。その後2分間の瞑想。。。暗い中コツコツと舞台を歩く足音が静かに響き、パッと明るくなった舞台には既にガジェヴがピアノに向かう姿、拍手もないまま静寂の中ショパンの前奏曲を弾き始めた。すごい演出❗️こんなの初めてだ‼️とドキドキした。一気にガジェヴワールドでホールは包まれた。煌びやかではないけれど重厚感の中の華やかさ、表面的ではない内に秘めた情熱、どんどん引き込まれていくその演奏は誰にも真似できないガジェヴそのもの。ヨガを好み、哲学者とも言われているガジェヴの人間性が音となって聴こえる気がしました。ガジェヴともう1人のガジェヴがピアノを通して会話をしているのか?その会話がピアノの音となって聴こえているのか?とも思えるような不思議な瞬間を感じた。

ショパンコンクールでは反田恭平くんと2位を分かち合いましたが、更にツィメルマン賞(ソナタ賞)を受賞した彼のソナタ2番(葬送)をとても楽しみにしてきたこのコンサート🎹 3楽章の神がかった中間部の美しさは人間離れしたもので、どんな技であんな音色が出せるのか教えて欲しい😅

プログラム後半のシューマンの幻想曲、これはもしかしたらショパンよりもガジェヴに合っていたのではないかと思うほどガジェヴの多彩な音色が散りばめられ、まさに幻想の世界へ引き込まれた。 そしてアンコールのドビュッシー12の練習曲より第11番「組み合わされたアルペジオのために」は畳み掛けるようなアルペジオ(分散和音)がガジェヴの出す色彩豊かな優しく繊細な音色で、まるでたくさんの天使が舞っているかのような美しさ!  演奏後の鳴り止まぬ拍手にも淡々としたその表情がまたガジェヴらしい。  ピアノがスタインウェイだったのがちょっと残念。 また聴くチャンスがあったらショパンコンクールで受賞したシゲルカワイのピアノで是非聴いてみたい!

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